episode9
いい歌、上手い歌、素晴らしい歌…ボーカリストを賞賛する時にいろいろな評し方をすると思います。
ところで、そのような歌は、どうしてそうなのでしょう???
謎掛けをするつもりではありませんが、何が良くて何が良くないのか、これは歌を聴くリスナー各人が決めることで、定義はないのです。
ある人にとって素晴らしい歌でも、別の人が聴けば雑音にしかならないことだってあるのです。
そして、その趣味嗜好は時代によっても変化します。
ファッションのジャンルを考えてみましょう。今年の流行、この秋の流行、といった具合で「おしゃれ」とされる洋服の種類は数ヶ月単位で変化していきます。
記憶に新しいところでは厚底サンダル、ルーズソックスなどは今や「遅れている」といってもいでしょう。
ちょっと前は人気があったとしても、それが長続きしない世界があります。
音楽や歌い方も同じです。昔の音楽や歌唱スタイルを聴くと「古い」と感じますし、経験したことのない音楽を聴くと「斬新だ」となります。
ここで言いたいのは、今流行っている音楽や歌唱スタイルを良いものと決めつけるのはボーカリストの可能性を狭くする、ということです。
残念なのは、ボイトレ指導の現場の多くでもこのような問題と向かい合う場面が少ないことです。
あなたにはあなただけのスタイルが作れるはずです。発声練習の段階から、このような気持ちを持っていたいものです。
ボーカリストとして成長したいのであれば、手の届くところにある音楽だけでなく、数十年前に発表された楽曲や様々な国のアーティストの楽曲にも触れてみてほしいと思います。
感動できる音楽は、身近にある音楽だけでなく、いろいろなところにアンテナを張っていればきっとたくさん発見できます。
もちろん、今のリスナーに訴えかけるにはどんな歌を歌えば…?という意欲も大事ですね。
小難しく言ってしまえば、「伝統を重んじながらも先進を目指す」ということです。
あなたが思う「素晴らしい歌」と、リスナーが思うそれが一致したとしたら、それこそ素晴らしい出来事だと思います。
いい歌、上手い歌、素晴らしい歌…答えはありません。
それを探す作業がボイトレとも言えます。
流行という言葉と、上手く付き合っていきたいものです。
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